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里山の秋 |
石立山 |
2008/10/25 |
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− 石立山の秋を満喫 頂上は高原のように開放的でマッタリとした時間が流れていた −
らくちん日和田登山口コース??
− 明日は三嶺にでも行こうかなと、のんびりTVを見ていたら
家内が石立山に登りたいと言い出した。
これは大変。
「石立山に登らずして、四国の登山家とは言えない」
と、前から皆さんに冷やかされていた。
「私たちは登山家じゃないから、いいんだ」
なんて言っていたけど
「何時かは石立山」
しかし、「キツイ」「危険」等とどのレポートにも書いてある。
しかしまあ、今の季節なら暑くもないし何とかなるかな?
と言う訳で、ろくに下調べもせず朝5時頃出発
阿南から旧木頭村に向けて走る。
途中通行止めや迂回路の案内があったが早朝の為クリア
2時間足らずで四ッ足峠トンネルに着く
トンネル手前に登山口の看板があるが、レポートなどにある10台くらい停められる駐車場が見あたらない。
仕方がないので小屋の前の3台くらい停められるスペースに駐車
7時6分登山口スタート
標高660m。此処から標高1707mの頂上までは約1050mの標高差
別府峡からのコースに比べてラクチンだとの噂。
頂上まで3.4q。約4時間と書いてある。
農道かなと思われるところを登っていくと、車道が見えて農家がある。
車道にぶつかり更に行くと回転場と書かれた広場に出る。
古いバスが捨てられている。
みんなのレポートに出てくる駐車場は此処のようだ。
しばらく登ると、左へ四つ足峠への道を分ける。
此処を左へ行くとトンネルの上に出てトンネルを越えることが出来るようだ。
トンネルの中を通るのが嫌ならこの峠を越えても良いかも。
でも最高点にある四ツ足堂が標高1020mだから、結構登るみたい。
廃道のような感じの道を登ると廃屋に出る。
此処から踏み跡が不明確となりそのまま真っ直ぐ進むとゆず畑の中に入り道が無くなった。
引き返して、廃屋の横に踏み跡発見。
畑道のようで不安だが登っていく。
やがて明確な登山道となり注連縄がある。
地図では神社となっている 横の小屋は崩壊している。
右下に渓流を見ながら上っていく。
かなり道がザレていて注意しながら進む。
植林帯を進むと、また谷に出て渓流を遙か下に見て進む。
小さな水場を渡るので冷たい水で顔を洗う。
しっかりとした橋を渡っていく。
やっと空が開けて植林帯を出た。
7時54分
マツカゼソウの群落に出会う
矮小化したのか?可愛いトリカブト
明るくなったのは良いが、伐採地の道は厳しい。
喘ぎながら登る。
帰りは嫌だなあ..
大きな切り株の間を登っていくとミツマタが全面に繁殖している。
誰かが植えたのだろうか。
見上げると色付き始めた木々の上に青空が広がる
ミツマタの間を登っていくとまた植林帯に入る。
8時24分。
標高は1000mを越えた
石灰岩が現れる。
登りのきつさに思わず座り込む。
汗が流れる。
スポーツドリンクを流し込む。
気合いを入れて登ると、8時38分稜線に出た。
趣のある標識。
「アリがリュック背負って、石立山登山」
此処まで標識が無かったので少し不安だったがこれで一安心。
この分岐が標高1220m位
木々の間から新九郎山の向こうに次郎笈の美しい姿が覗く
いよいよ石立山らしい石灰岩の登りとなる。
意外と石灰岩は登りやすい
これは楽勝かな?
この下には高の瀬峡があるはず。
その向こうに木頭の山の杉生山1266m。
岩の登りが急になり、時々手を使うようになる。
キツイ登りだが、木々の紅葉がだんだんと多くなるので見とれながら登る。
斜面の紅葉が美しい
向こうに丸石から次郎笈の美しい稜線が見えるようになる。
新九郎山の右には折宇谷山1653mから権田山1591mに続く稜線が屏風のように続く。
やはり石立山をなめたらいけない。
だんだんと険しくなる
紅葉を眺める余裕が少なくなり汗が流れる。
岩が苔むしてきた。
もう岩場は終わりかな?
9時10分柔らかな落ち葉を踏む道となり一安心。
と思ったら、一段と厳しい岩場が待っていた
堪らず岩に腰掛けると足下に可愛いピンクの花が。
とても小さくて草丈が5pくらい。
ナギナタコウジュだと教えていただきました。
よく見ると確かに!
こんなに小さいのは石灰岩の高山だから?
トリカブトも沢山咲いていて蕾も多い。
時期が遅いのも驚きだが、背丈も矮小化していて10〜20センチくらいしかない
石灰岩の亀裂でけなげに咲く草花はとても美しい。
モミジなどの紅葉が多くなる。
やっと頂上らしい姿が
浮き石が多く、うっかり踏むと体勢を崩してしまう。
慎重に足下を確認して進む
踏み外すと遙か崖下に落ちる場所もある
やせ尾根は石灰岩の岩場で脆くて崩れやすい。
マユミが岩場で陽の光を浴びている
やっと岩場が終わる。
9時32分
見上げると紅葉の向こうに頂上?(実は偽ピーク)
岩場を越えてもまた滑るような急坂
スズタケの間を、気合いを入れつつ登ると壊れた避難小屋に着く
9時42分
標高は1500mを越えたようだ
中は床板も抜け落ちてぼろぼろ
でも暴風雨や雷雨の時は役に立つかも
那賀川に沿った木頭の村が見下ろされる
小屋からの次郎笈
小屋から少し行くと標高1550mで別府への分岐。
ここから四つ足峠トンネルの出口に下りることが出来るようだが、厳しい道だとか。
ブナの紅葉が美しい
スズタケが増えてくるが何故か笹の葉が少ない
マユミの実がビッシリ
ピンクから顔を出す赤色の実が可愛い
「タヌキノカンザシ」と名付けられた訳を納得
ブナの黄葉の向こうに青空が広がる
サラサドウダンの木が真っ赤に紅葉している
今まで歩いてきた稜線を眺める。
権田山方向
やっと頂上かな?
足下が柔くて崩れやすい道をストックを持つ手に力を入れて登り切る。
ブナの木のピークに出るが頂上はまだ先。
ダケカンバの黄葉を見ながらゆっくりと登る。
ここら辺からはクマザサが生えているはずだが、笹に葉が無くなってくる。
やっと頂上が見えてくる
なんと此処のクマザサ?は全て枯れている。
鹿に囓られたような跡は無いので、害虫のせいか?
10時19分頂上着
下の登山口から3時間10分
三角点の後ろの、祠は壊れていた。大きな鈴が二個転がっている。
頂上は数年前のレポートの写真と様変わりしている。
緑は弱々しく生えているダケカンバだけ
数年前の石立山頂上
(徳島県環境調査 特定植物群落 石立山の高山植物群落)
標識も社も笹に埋もれていたらしい。
今の頂上は広々として気持ちがよいが、緑のない山頂も寂しい。
コーヒーを飲んでのんびり。
誰も登ってこない。
時間も早いので捨身ガ嶽に行ってみようかな。
皆さんのレポートによるとクマザサを掻き分けていくとなっているが、ごらんの通りみんな枯れていて歩きやすい。
捨身ヶ嶽の切れ落ちた岩が凄い。
天辺に男性が一人立っている。
転げ落ちそうに危うく見える。
中東山が目の前にそびえる。
西峰に向かって登っていく。
モミの大木がある。
西峰に到着
色々な標識が林立
捨身ヶ嶽の看板がこんな所に
矢印に従って下りていくと紅葉越しに捨身ヶ嶽の岩塊
先ほどの男性がゆっくりと戻ってきた。
高知から来られたらしい。
どうでした?
と聞くと、何カ所か危ないところがあるが何とかなりますよとのこと。
それならばと下りていく。
最初の下り口が、掴まるところが脆くて、崩れる。
足下も崩落して危うい。
その後は、注意していけばそう危なくはない。
家内はどんどん登っていく。
あっという間に天辺に着いた。
後ろに次郎笈、一の森、そして頭の後ろに高城山のレーダーもかすかに見える。
私もすぐに後を追う。
岩の天辺は意外に広く、下を覗かなければ怖くない。
左の高ノ瀬山から丸石そして次郎笈。
左奥には塔の丸の姿も
そして剣山は次郎笈に隠れているが、二の森から一の森そして奥槍戸の稜線が屏風のように連なる。
手前は新九郎山から権田山につながる木沢の山々。
この写真の右上に覗いているのは、高城山、樫戸丸、天神丸
北西には高ノ瀬山から白髪山に続く稜線
白髪山の左奥には天狗塚の尖り。
西熊山も覗いている。
そして、美しい三嶺
石立山の頂上
岩クズの間に可憐な植物
こんな所にクワガタが..つや消しのオオクワガタみたい。オオクワガタにしてはちょっと小さいなあ。
昆虫博士のポンちゃんからヒメオオクワガタだと教えていただきました。
1000m〜1600mのブナ林帯に住むクワガタで、昼行性で柳やダケカンバの樹液を吸い
幼虫はブナの立ち枯れや倒木に住んでいるようです。
寒さに強く11月頃まで活動することが出来るとか。
クワガタと言えば里山のクヌギなどの樹液を吸っていて夜行性だとばかり思っていました。
色々なクワガタがいるんですね。
「山登り決死隊」の看板か゜..私も決死で登りました
十分に景色とスリルを楽しみ引き返す。
帰り着いて、満足げに捨身ヶ嶽を見下ろす家内
西峰から別府への下山路を見る。
11時30分石立山に帰ってきて昼食。
こんな紅葉の素晴らしい季節なのに誰も登ってこない。
食後のコーヒーをゆっくりと楽しむ。
12時のサイレンが聞こえてきた。
下山開始
頂上すぐ下に、分岐路があり行ってみると立派な祠がある。
モミジとリョウブの紅葉が美しい。
苔むした岩が荘厳な感じを醸し出している。
ダケカンバの間を下っていく
赤城尾山を正面に見て下る。
下りはズルズルと滑り、気が抜けない
木頭の村を見下ろしながらぐんぐん高度を下げる
岩陰にスミレが一輪
日和田登山口分岐に13時20分着
涼しい風が吹いてくる。
ゆっくりと休憩
14時30分廃屋に到着
リンドウの花が咲いていた。
放棄されたユズのよい香りがする。
14時44分登山口着。
心地よい疲れだ。
やっと念願の石立山に登ることが出来た。
家内も満足
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