知床トレッキングW 雌阿寒岳 1499m 2008/9/24
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− 雌阿寒岳 活火山の迫力に感激 −

北海道に来てから4日目。

羅臼岳に登れなかったので、何か消化不良。

今日は徳島に帰る日だが、雌阿寒岳に登ってから帰ることにする。

ガイドブックによると約4〜5時間のコースだが、オンネトーに下りてから登山口まで帰る時間が良く解らない。

15時45分の飛行機に乗る為には13時には出発しないとならない。

6時45分に朝食。



ニュースでは大陸から寒気が入ってきていると言っている。

なんとか雨は降っていない。

いつものようにバイキングのパンとバナナを少しばかりバックに入れて出発。



雌阿寒温泉(野中温泉)に向かう。

15分ほどで着。



看板の所から少し引き返して広い駐車場に駐車

先に2台停まっている。



野中温泉コースを登ってオンネトーコースを下りてくる予定





おお結構怖そうだなあ

ラジオも熊鈴も用意して、7時10分登山口出発。

登山届けを出すと、先に64歳の夫婦が15分前に出発の記載があった。

あれっ!ストックの忘れ物がある。

アカエゾマツの純林が続く。



林床にはゴゼンタチバナの実が目立つ。

アカエゾマツの根っこが凄い。



此処にも水筒の忘れ物がある。

先行者のご夫婦大丈夫かな



何の実かな?

こんな所に一合目の標識が

7時24分



アカエゾマツの林は素晴らしい



2合目7時34分

シラタマノキの白い実が所々にある。



7時42分3合目着



岩が多くなり日が差し込んでくる。

振り返ると北海道の広い原野が広がっている。

昨日羅臼湖でも見たイソツツジが多い。

初夏には綺麗だろうな。



網走川の源流のあるイユダニヌプリ山(902m)のなだらかな山容が北西に見える。



アカエゾマツの林を抜けるとハイマツ帯となる。

北の裾に、フップシ岳1225m

平坦な道となる。

先行のご夫婦をパスさせていただく。



枯れた沢を渡るとまたハイマツ帯に突入する。

単独行の女性が下りてきた。



見下ろすと大岩の上にGPSのアンテナ。

噴火の予兆を知る為に備えてある。



ハイマツの背が低くなり、7時58分、4合目に着く。

神秘的なオンネトウの青色の湖が姿を現した。



岩場を登っていく。

コケモモの実が目立つようになるる

この実は、ヒグマが大好物。

この時期、ヒグマはこのあたりにいるらしい。



五合目に来るとオンネトウの全貌が見えてくる。

神秘的で美しい。



またハイマツ帯に入ると足下にガンコウランの黒い実が一杯



登りはだんだんきつくなってくるが、振り返ると果てしなく広がる北海道の原野と

オンネトウの素晴らしい眺めが疲れを忘れさせてくれる。



フップシ岳も綺麗だ



這うようなハイマツ帯にはいると巨石が多くなる



コケモモの実やイソツツジが多くなる

単独行の男性が下りてきて、頂上は凄い風で寒くて飛ばされそうで怖かったと言って去っていった。



8時28分、6合目から駐車場が見下ろせる。



私の車も見える。



大きな岩が並ぶところに着く。

ちょっと一休み。



ナデシコ科のメアカンフスマが咲き残っていてくれた。



大岩の上には古野のGPSが設置してある。



素晴らしい眺めを堪能。

岩の間にはオンタデ?の紅葉



やっと8合目に着く。

8時49分

火口に近いので早く立ち去れと書いてある。

寒いのでジャンパーを着る。



此処からは岩場のきつい登り



何の花かな?



稜線から振り返ると、追い抜いた御夫婦が登ってくるのが見える。

やはり同じ場所で上着を着ている。



稜線と思ったのは火口の縁でロープが張ってある。

覗き込むと赤沼と2006年に新しく噴火した火口から噴煙が立ち上っている。

轟々と凄い音がする。

匂いもきつい



ポンマチネシリ火口の縁は崩れそうで怖い。

火口に沿って登ると風が凄くなってきた。



ナカマチネシリ火口と阿寒湖、雄阿寒岳が見えてきた。




瓦礫の道を登ると風がますます強くなる。

おまけにひどく寒くなる。

大陸の寒気が入ってきているのだろうか。



所々大きく崩れていた。



飛ばされないように帽子を脱いで、這うように進む。



ナカマチネシリ火口の噴煙の噴出音が響く。火口の右奥に剣が峰。

阿寒湖からの登山道はあの剣が峰の横を登ってくる。



頂上近くになると登山道はますます火口の縁の近くを通る。

風が火口から吹き上げてくるからまだ良いが、反対だと火口に吹き飛ばされそうで怖いだろう。



家内はロープを掴んで進む。登山靴を履いていないのでズルズルと滑る。

あんまり火口に近づくと危ないよ



ナカマチネシリ火口と阿寒湖そして雄阿寒岳

2006年にも噴火して登山禁止となっていただけあって迫力がある。

地球が生きていることが感じられる。



頂上の向こうに阿寒富士の端正な姿

雌阿寒岳頂上に9時16分着。

丁度2時間かかった。



変わった感じの方位板。

北の方向はオホーツク。

中心の穴は阿寒湖?とオンネトウ?

真北の海岸沿いの穴は能取湖かな。

寒くて水を飲む気もしない。

家内はこのまま引き返そうと言う。

ここから阿寒富士に向けてはザレタ道が続き風に飛ばされまいと踏ん張るとズルズルと滑りそう。

滑り落ちるとそのままナカマチネシリ火口に吸い込まれそうな気がする。

実際にはポンマチネシリ火口と違って、かなり離れていて火口に滑り落ちることはないと思うのだが..

でもせっかく来たのだから...



頂上では寒くて長く居られない。

オンネトウに向かって下山開始。

青沼の向こうに阿寒富士。



5分ほど歩くと阿寒湖登山口からの登山道への分岐

剣が峰へと火口に向かって降りていく感じ。



青沼を覗き込むとずれ落ちそう。



最近の噴火口だろうか?しきりと噴煙を上げている。

此処まで近づくのが精一杯



ズリズリの道は滑りまくり。

9時46分、8合目の標識を過ぎる。

オンネトウから単独の男性が登ってきた。

かなり疲れている様子。

8合目まで登って座り込んだ。



9時55分、7合目。

此処から阿寒富士登山道分岐

やっとハイマツ帯に入る。

眼下にオンネトウの神秘的な湖。

お年寄りのパーティに二組出会った。



ハイマツの下にはシラタマノキの実がビッシリ

マイヅルソウの実もあった



アカエゾマツの林にはいるとゴゼンタチバナが紅葉している



10時20分、五合目に来るとポンマチ火口下観測所の小屋がある。



木の根の露出した急坂を下る。

シマリスが目の前を通りすぎた。

大きな松かさはアカエゾマツだろうか。



壊れた階段を下ると素敵なトドマツの林に出る。



フッキソウの群生。

今頃つぼみを付けているかと思えば、可愛い白い実も付けている。



11時10分登山口着

1時間50分ほど掛かった。



7月に熊が出たんだって。会わなくて良かった



登山口にはオンネトーキャンプ場の駐車場

どちらに行ったらよいか解らないので観光バスの運転手さんに聞くと親切に地図で教えてくれた。

キャンプ場の中を通っても行けるらしいが、オンネトーに写る雌阿寒岳を見たいので車道に出る。



写真では綺麗に表現できないが、引き込まれるようなエメラルドグリーンの湖水

その向こうに雌阿寒岳と阿寒富士の姿が美しい



フウロのような花が二輪



車道を黙々と歩く。

湖周遊のツアー客が多い



観光客に写真撮影を頼まれたりしてなかなか進めない。



湖畔には沢山の記念撮影スポットがある。



アカエゾマツの原生林の向こうに雌阿寒岳



オンネトーから離れて車道を登っていく。

結構坂がきつい。

途中で赤い色の錦沼がある。



12時14分駐車場着

車が10台ほどに増えていた。

下りの8合目で会った男性が丁度下りてきた。

野中温泉に行くと民宿とユースホステルとがある。

国民宿舎はGPSの設置工事中。

此処でも火山の噴火予知の為のデータをとって居るみたい。

ユースに行くとお風呂が200円。

国民宿舎は350円と書いてあったが安いなあ。



湯船は総トドマツ造りで、釘を一本も使っていないのだとか。

泉質は硫化水素泉。イオウの香り漂う、いかにも温泉らしい温泉だ。

薄い黄緑色で、湯船には多くの湯の花が浮いている。

そんなお湯が、どぼどぼと贅沢に掛け流されている。

今回豪華な温泉に沢山入ったが此処の湯が最高。

石けんやボディシャンプーは使用禁止。

シャンプーは使っても良いようだが、持参しないと置いてない。

しかし、頭から湯をかぶると石けんなんか必要ない。

さっぱりして、女満別空港に向かう。



15時45分、空港を飛び立つとすぐに雄阿寒岳と阿寒湖

そして今日登った雌阿寒岳のすぐ横を飛行機は飛んでゆく。

関空に着き、またリムジンバスに揺られて帰るとすでに22時を過ぎていた。

帰ってすぐに、雌阿寒岳は噴火の可能性があるとして、

山頂近くの火口から半径500メートル以内に立ち入らないよう呼び掛ける「火口周辺警報」が発表された。

登ることが出来てラッキーだったかな


里山倶楽部四国編