焼山寺 〜 藤井寺 往復 2009/04/11
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− 11番藤井寺から12番焼山寺往復 −

焼山寺へは神山道の駅寄井から登った事がある。

しかし藤井寺からの有名な遍路転がしを歩いていない!

藤井寺から焼山寺に行って寄井に下りるのなら何とかなると思う。

しかし、寄井から車を取りに藤井寺に戻るのは実に面倒だ。

徳バスで寄井から鮎喰か蔵本のJR駅に出てJRで鴨島駅へ。

鴨島駅からは歩きとなる。

車が二台あればよいのだけれど...

と言うわけで面倒だからピストンしちゃえ!

と言う事になった。

しかし往復のレポートはほとんど無い。

お遍路さんは焼山寺の次は大日寺なので往復する人はいないだろう。

一体何時間くらいかかるのだろうか。



焼山寺まで往復で、累計沿線距離約24q、累計標高差約2100m

分県登山ガイドでは片道丁度5時間となっている。

昔、萩原健一が四時間で焼山寺まで行ったというニュースを見た事がある。

こもれびのコモさんが藤井寺から焼山寺そして奥の院まで行って往復したレポートがある。

なんと9時間半足らずで歩いている。

私達にはこんなハイペースは無理だ。

焼山寺山の奥の院まで行かなかったら何とかなるかな?



地図は徳島分県登山ガイドよりお借りしました

と言うわけで、6時過ぎに駐車場着。

途中で藤井寺を目指す歩き遍路に数人出会った。



駐車場にはすでに車が一台。

出発準備をしている。

歩いて越えるのかな?

トイレをお借りして駐車場代を払おうとするがまだ開いていない。

手提げ金庫がおいてあるが帰りに支払う事にする。



有名な藤は蕾が出ている。

焼山寺まで12.9qの標識



誰もいない静かな藤井寺を参拝

本堂左からいよいよ6時10分出発。



ミニ八十八カ所一番がある。

健脚5時間。

平均6時間。

何とか5時間で行きたいなあ。



最初は平坦な道を行くと「遍路転がし1/6」



そうきつい坂でもない。しばらく行くと車道に出る。

シャガが咲き始めている。



車道を越えて道標に従い進む。

シハイスミレかな。



ナガバノスミレサイシンやタチツボスミレなどのスミレが咲き誇る。



鴨島の町が一望に出来る農道に出る。

北に鴨島の町並み、吉野川、北岸の町々、阿讃山脈。



昔農家でもあったのかな。



茶畑の向こうに石井の町



6時30分、端山休憩所に着いた。ここには東屋がある。

参道は最近整備されたのか掘り割りの様な道が続く。



道の横には小さな石仏が続く。

石仏には「山 ○○丁」と彫ってある。

焼山寺までの丁石を兼ねている様だ。

この野仏には百四丁と彫られていた。

後、11q以上歩かないと着かないみたい。

しばらく行くと旧へんろ道との分岐地点に来る。

旧遍路道は左へと山の尾根を辿るが、道は荒れている。

新しい遍路道は尾根の右をトラバースする。

昔と比べて随分と歩きやすくなっている様だ。



緩やかな道を登っていく。



ヤマザクラが美しい。



少し急な青石の階段道を登る。

ショウジョウバカマの花後?が多い。



丁度1時間で7時9分長戸庵に着く。

此処は藤井寺と柳水庵の丁度真ん中にあるので長戸庵と名付けられたらしい。

この辺で標高500m位かな。



桜が綺麗。



桜の下に女性専用トイレ



右へ行くと石鎚神社やお鎖があるらしい。



この路の標石は手を広げている。

標石の手の形はそれぞれ違っていて面白い。



ベンチのある見晴らしの良いところに着く。

「風景発心の地」

若い男性が一人向こうからやって来た。

どこから来たのだろう。

遍路装束はしているが、スリッパの様な靴を履いているし金剛杖では無しに木の枝をついている。



江戸時代の無縁仏が所々にある。

昔は遍路の途中で行き倒れると近所の世話人が弔ってくれたらしいが、今だと大騒ぎとなるだろう。



へんろころがし2/6は少しきつい登り



鉄塔巡視路に飛び出る。

7度35分

流水庵までは後三十分くらいで着けるかな。



平坦な道をどんどん行く。

このあたりは標高610m位。



また鉄塔巡視路と交わったりして快適に進む。



やがて鉄塔巡視路から別れて山中の路を行く。



突然急坂を下りる。



坂の途中にお堂がある。



石畳みの路を柳水庵に向けて下る。

六地蔵が祀られている。



8時3分柳水庵着

出発から1時間53分。

標高500m位



誰もいない静かな境内に枝垂れ桜が朝日に輝く。



白いツバキが綺麗だなあ。

水を飲みトイレをお借りしてから出発。



セメントの道を下ると遍路小屋が出来ていた。



中には雑誌や毛布が用意してあり宿泊も出来る様だ。

表には物干しもある。



車道に出てから山道に入る。



ムラサキケマンが咲き乱れる。

長い車道が続く。

向こうに見える山を越えていくのかな?

結構高く見える。



山道に入ったと思ったらまた車道に飛び出しまた山道に入る。



ショウジョウバカマが多い道をエンヤコラと登る。



遍路転がし4/6の急坂を上っていく。



ショウジョウバカマが所狭しと咲いている。

途中で遍路の夫婦が休んでいる。

ご主人が大変疲れている様だ。

ご挨拶をしてから先に進む。



コンクリートの柱があり階段を上ると、でっかい弘法大師像が凄い迫力で眼に飛び込んでくる。

近くに行くとそうでもないが、やっとたどり着いた感激で大きく見えるのだろうか。



8時48分 一本杉庵着。

出発から2時間38分。

此処で標高750m位

弘仁21年(820)弘法大師が焼山寺へ登られるとき、

この杉の木の下で野宿をされたということで、山号を一宿山という。



大きな一本杉を眺めながら今日初めての休憩。

行動食のあんパンを食べる。



昔は宿泊も出来たという阿弥陀如来を祀る浄蓮庵は古くて大きい。

もう、宿坊として復活する事はないのだろうか。



観音堂があり暗い中を覗き込むと千手観音。

千の手がリアルで迫力がある。

フラッシュが旨くいかなかった。

14分ほど休んで9時2分出発。



標高400mに向けて標高差350mを一気に下る。

またこの路を登り返さないと行けないと思うと気がめいる。

スミレが咲き乱れる。

視界が開けると焼山寺山が目の前に見える。

中腹が大きく切り開かれていて駐車場だろうか。



作業道に出て更に下る。



ムラサキケマンが咲いている。



家内が歓声を上げる。

ユキモチソウが咲き始めたばかりで初々しい。

家内は特にこの花が好きだ。

春を告げる花だという。



ユキモチソウで時間を食ってしまった。

急いで下って行くと左右内(そうち)の集落にでる。



一本杉庵から1.8q

焼山寺まで2.0q



先日お高越山の帰りに美郷からか鍋岩に抜けた車道に出る。



車道から更に谷に下って行く。

猪の毛皮が干してあった。

気持ち悪〜



キケマンの咲くベンチで水休憩

気温が上がってきて喉が渇く。



民家の間の狭い水路の暗渠を下って行く。

注意しないとまっすぐ行ってしまいそう。

親切な案内板がある。



暗い崖下にチャルメラソウやムラサキケマンが咲いている。



民家の梅は終わって小さな実がなっている。

おばあちゃんが一人草取りをしていた。



 左右内川の橋を9時31分に渡る。



渓流沿いにはヤマルリソウが静かに咲いている。

渓流の水はあくまで蒼い。



さあ此処から急坂。

気を引き締めて登ろう。



色彩豊かな薬師如来像のある祠の前で足が上がらなくなる。

家内を呼び止めしばし休憩。

最近、疲れたと感じてから足が上がらなくまでの時間が短い。

じっとしているわけにも行かないので出発。



遍路札が慰めてくれる。



スミレの道となりつい撮影休憩



ナガバノタチツボスミレにシハイスミレだろうか。



チゴユリの芽がビッシリ出ていて、花を探す。

やっと一輪だけ咲いていた花を見つける。

私の大好きな花でつい何枚も写真を撮る。

家内は作業道の手前で待ちくたびれていた。



あとは作業道の緩やかな坂を登る。

マムシグサが所々に咲いている。



立派な参拝路が見えてくる。



奉納された立派な石仏が並ぶ

歩いてきた山を振り返る。



やっと何時もの鍋岩からの道と合流



何回も来た階段だがやはり藤井寺から歩いてくると感激も一際



お大師さんの待つ山門をくぐる。



仁王さんもにこやかに出迎えてくれる。



まだ参拝客はほとんどいない。



10時17分焼山寺到着。

家内に4時間7分掛かったというと、最後の登りでチゴユリを撮影するのに時間をかけすぎと叱られる。

密かにショーケンの4時間に挑戦するつもりだったらしい。



何時もの大川原高原の見える縁台でおにぎりで昼食。

じつは200円うどんが食べたかったのだが店が閉まっていた。



どんどん団体がやってきた。

店が開いたのでアイスクリームを買ってほおばりながら下山開始。

10時58分



作業道から山道に入り下って行くと、やっと歩き遍路が登ってきた。

一人目は頑強そうな男性。

その後にウルトラマンパンツのご夫婦。

そして派手なシューズの若い男性。



またチゴユリを楽しんで下ると朝に一本杉庵への登りでお会いしたご夫婦がやってきた。

「もうお帰りですか?早く歩けて羨ましいですね。」と言う。

見ると少し体を悪くされている様だった。もう少しですよとお別れする。



左右内から登り返す。

暑さが厳しくて足が重い。

その辺に堪らず座り込む。

水をがぶ飲みする。

お遍路さんの団体が次々とやってくる。

みんな「ご苦労様」と言う。

お遍路さんの挨拶かな?



12時30分一本杉庵に到着。

大休憩



お大師さんにお別れを言い下って行く。



ショウジョウバカマが可愛い

林道に出るとおじいさん遍路がヨロヨロとやって来る。

「やけやまから来ましたか?何時間かかりましたか」と聞く

「やけやま?」ああ焼山寺の事か。

「二時間ほどです」と言うと「まだ二時間もですか」と肩を落とす。

お聞きすれば10番の切幡寺から歩いてきたそうだ。

もう20q近く歩いてきている勘定になる。

大丈夫かなと思うが「お気を付けて」と言うしかない。



濃い色のスミレやミツバツチグリの花が初夏の陽に輝いている。



カキドウシの多い道に出るとそこは柳水庵

13時28分

遍路宿では男性がすでに宿泊の準備中。

柳水庵で水を頭からあびる。

女性遍路が話しかけてくる。

なんと若くて可愛い外人女性だった。

今日は鍋岩で泊まるそうだ。

「焼山寺から来ましたか?何時間かかりましたか?」と聞くので「二時間半です」と答える。

「おおそれでは、5時までには楽勝ですね」

側にいたおばちゃん遍路が「楽勝じゃないかも?」

お気を付けてと別れる。

無事山を抜ける事が出来たかな?と心配していたが

二日後の13日に勝浦川の橋を恩山寺に向けて元気に歩いていたと勝ぼうずさんが教えてくれた。

早いなあ。快調なペースで歩いているみたい。



快調に下っていると家内が突然木の根に躓いて蛙の様にぐちゃっと転んだ。

鼻と口を打ってしまったという。

少し鼻血が出たが大丈夫みたい。

疲れていない様に見えるがやはり足が上がりにくくなっているのだろう。



展望の良いベンチで大休憩。

江川遊園地の大観覧車が眼下に見える



川島城もすぐ下に

長戸庵 14時37分着

今頃何人か登ってくる。

散策かな?



端山休憩所iに帰ってきた。



こんな素晴らしいところて畑仕事が出来るとは。



車道に出ると車が何台か駐車中。

なるほど此処に停めれば無料だ。

シャガが朝よりも咲き誇っている。



あとは1/6遍路転がしを下りて天保11年建造の可愛いお地蔵さんに「帰ってきたよ」と挨拶。



15時35分藤井寺着。

お遍路さんがバスで次々とやって来る。

駐車場のおじさんに500円払う。

わすれな草が咲いていた。

帰りは4時間37分掛かった。

なんとか9時間半で焼山寺まで往復する事が出来た。

長年の夢が叶って幸せ。

風呂上がりのビールが美味しかったのは言うまでもない。

里山倶楽部四国